待ちに待ったオパールペンダントの受け取りの日がやってきました。
なのに朝から２度も忘れ物をして家まで取りに行ったり、そのおかげで予定が狂ってしまったり、銀行でトラぶったりで、曇天の空模様を映したような沈んだ気分になってしまっていたのでした。

早々に仕事を切り上げて、n@tsukoさんとの待ち合わせ場所に向かう途中も、ボーッとして間違えてひと駅手前で降りてしまう・・おのぼりさんか、あたしゃ・・と自己嫌悪に沈みながら待ち合わせ場所に走りました。
つまらないことでなんとなくどよーんとした気分の私でしたが、n@tsukoさんが用意してくれた立派なジュエリーケースをそーっと開けて覗き込んで、キャー！と叫んでしまいました。
出来上がったペンダントは想像以上にかわいらしく、かっこいい！！
石は本来の輝きを取り戻したようです。
新しいホワイトゴールドの枠にも、一緒に並べた色石にも、とても良くマッチしていて、オパールそのものもうれしそうです。

早速着けてみて何度も鏡を覗き込んでは「ん〜〜。やっぱりいい！！」を連発。
「次はどうしよっかな〜」「ダイヤもいいけど色石もいいな〜」「n@tsukoさん、今度はこんなのが欲しいと思ってるんですよ」「こんなのはどうでしょうね」と、次から次へと次回への欲求が膨れ上がり、n@tsukoさんは「とてもいいと思いますよ！」と優しく微笑むのでした。
その後も大いに盛り上がり、気がつけば４時間半が経過。
「じゃ！また近いうちによろしくお願いしますね〜！」 おいおい、あなた落ち込んでたんじゃないの？と自分の単純おバカぶりに突っ込みを入れるのも忘れて、ウキウキ高揚した気分で帰路につきました。
電車の中でもガラスに映る自分の胸元にうっとり。
どこからどうみても変な人でしたが、お構いなしです。

私が初めてn@tsukoさんにお会いしたのは、エンゲージリングのエタニティーを作成していただくためでした。
インターネットでいろいろ探しているうちに、他では見られなかったシャープでかっこいいデザインのエタニティーを発見しました。
それがn@tsukoさんのHPだったのです。
ジュエリーデザイナーの方はもちろん、インターネット上でHPを運営されている方とお会いするのは初めてだったので、実際にお会いするときは期待と緊張と好奇心とがまざっていました。
非常に勝手ながら超まじめでお堅い職人気質の方を想像していましたが、実際お会いしたn@tsukoさんは、しっとり落ち着いた大人の雰囲気を漂わせている一方で、実はざっくばらんのさっぱり系。ユーモアたっぷりのきっぷのいいお姉さんではありませんか。
少しばかり感じていた緊張は瞬く間に消えました。

それまであまりジュエリーを身に着けることがなく、いつも決まって同じピアスとシルバーのリングをはずすことなくつけているだけだった私ですが、n@tsukoさんにお会いして、ジュエリーに対する思いを伺って、作品を見せていただくうちに、俄然ジュエリーに興味がわき、それまで気がつかなかったジュエリー欲（物欲とも言うんでしょうな）に火がついてしまったようです。
ぜんぜんジュエリーのこと、宝石のことを知らなかった私の話を辛抱強く聞いてもらい、また丁寧に説明してもらい、私の瞳も徐々にジュエリーのようにキラキラ（いーやギラギラ）してきてしまいました。
エタニティー打ち合わせ２回目のとき、オパールの件を相談差し上げることにしました。

このオパールは学生時代旅したタイで、同じ安宿に泊まっていた怪しい宝石商から購入したものです。
天然石の真偽のほどはともかく、淡く青く輝く様子が宇宙から見た地球のようで、一目ぼれして言い値で買ってしまいました。
バイトしてお金を貯めては貧乏旅行していた学生の頃の話で、当時は結構思い切った買い物だったのを覚えています。
すぐに現地で指輪に加工しましたが、びっくりするほど出来が悪く、表面はザラザラで角はギザギザして、はめると当たって痛かったですが、時間の都合でそのままに。
それから十数年・・・せっかくのオパールは指にはめられることのないまましまいこまれていました。

ザラザラの枠がついている青い石は、まるで似合わない洋服を着せられているよう。
実は興味本位でお願いしたにも関わらず、n@tsukoさんは快く鑑別を引き受けてくださいました。
ついでに石をはずし、枠を下取りに出すこともお願いしました。
鑑定結果はまさかの天然オパール！（宝石商さん、怪しいなんて言ってごめんよ）。
枠が22Kだったこともあり下取りも思っていた以上の価格になってビックリ。
出来上がったエタニティーは感動！！の一言、大大満足のオーダー第一回目でした。
しばらくエタニティー指輪を眺めて悦に浸り幸せ感を満喫した私でしたが、あの待ちわびるような、うずうずとした期待感をまた味わいたくなってしまったようです。
なんだか少し、次の楽しみがないようなちょっと寂しい気持ちです。
ストーカーのようにn@tsukoさんのHPを徘徊してはうずうず。
ジュエリー熱に冒された私は、ルースになって戻ってきた石を眺めているうちにいても立ってもいられなくなり、一刻も早くジュエリーにして身に着けたくなってしまいました。
それにもう一度n@tsukoさんにお会いして、あの楽しいジュエリー談義を交わしたかったのです。
変な人に思われたらどうしようと思いながら、再度思い切ってn@tsukoさんに連絡を取ることに。n@tsukoさんは「こんなに早くまたオーダーいただけるとは！」と驚いていらっしゃいましたが、私も自分で驚いてます。

かくして、私の第２回目のオーダーが始まったわけです。
迷って、相談して、アドバイスを仰いで、決定して・・・。
優柔不断な私は、一緒に使う石の形や色味に迷って悶えてしてしまうのですが、気が付けばn@tsukoさんがプロのアイディアでそ〜っと後押ししてくれて・・・そんな悶絶も本当はとても楽しかったのです。

ジュエリーって本当にすごい。
お気に入りのジュエリーには、身に着けると世の中を少し明るくしてくれる、そんな力があるように感じます。
更に、本当のお気に入りは世界でたった一つのオーダーしかもう考えられなくなってしまいました。
n@tsukoさんにはそんな素敵なジュエリーの魅力を教えてもらいました。
n@tsukoさん、どうかこれからもよろしくお願いします。
お互い痴呆になっても楽しいジュエリーのお話しましょうね！